初心者でも迷わない日本酒の選び方 コツを伝授

近年、世界中から注目され、人気を不動のものにしつつある「SAKE」。日本酒は世界に誇る、アルコールドリンクです。

 

四季に恵まれた豊かな日本の食文化と寄り添い、その地域の伝統、風土とともに発展し、受け継がれ、まさに国酒といわれる日本酒。

 

国内でも、その価値は見直されつつあり、また、造られるお酒のクオリティーも上がり、バリエーションも増え、日本酒人気は過去最大といっていいほど上がっています。

 

それと同時に商品数もさらに増え、色々なタイプの日本酒が出てきており、これから日本酒を飲み始めたいという方は、まず、どの銘柄を選べばいいのか悩んでしまいますよね。

 

ここでは、日本酒を検討する際、最低限知っておいた方がいい事と、おすすめの銘柄をご紹介したいと思います。

日本酒の選び方

「辛口のお酒をください」 酒屋さんや飲食店さんで、よく聞くお客様のお言葉ですが、 実はこれ、お店の方が一番困る表現であることをご存じですか。

 

日本酒の甘口、辛口は、飲む人によって感じ方が大きく違うんです。 そもそも日本酒はお米から造られています。 お米って、炊きあがったご飯を、目を閉じてよく噛んでみたら、 ほんのり甘いですよね。

 

そのお米からできているので、基本的にはお酒もほんのり甘いものなのです。 そこに、発酵してできたアルコールや酸が加わり、辛口になるのです。

 

じゃ、日本酒選びはどうしたらいいのか?ここでは日本酒を検討する際の選び方として目安にすると選びやすい4つをお伝えしますね。

1.淡麗辛口、淡麗甘口、芳醇辛口、芳醇甘口の味わいで選ぶ

日本酒は香味の組み合わせで大きく4タイプに分けることが出来ます。 自分の好みが、どのタイプに当てはまるかわかれば、 初めて買う銘柄も選びやすくなります。

  • 淡麗・・・口に含んだ感じがすっきり、爽やか
  • 芳醇・・・口ぬ含んだ感じがボリューミー、濃厚
  • 甘口・・・糖分が含まれた甘味を感じる
  • 辛口・・・糖分や旨味より酸を強く感じると辛口に感じる

この味わいの好みを覚えつつ下記のイラストでご自身の好みのタイプを選んでみるといいでしょう。

酒の味わい4タイプ

横軸を味わいのスッキリからコクを表したものと 縦軸を甘辛度で甘口、辛口で分類し、 4つのタイプに分けるとお店の方ともイメージを共有しやすくなります。

 

まずは、各タイプに当てはまる銘柄を飲み比べてみてください。 ご自身の好みがわかるのではないでしょうか。 その際、味の違いを把握しやすくするため、 淡麗から飲んでみることをオススメします。 淡麗甘口→淡麗辛口→芳醇甘口→芳醇辛口で試してみてください。

 

また、季節によって選ぶタイプを変えるのもオススメです。たとえば夏場は清涼感が欲しいので淡麗を選んでみる。冬場は燗などで飲みたいので、芳醇なタイプを選ぶといったような楽しみ方もあります。

お酒の淡麗や芳醇について参考になる記事がありますので、こちらの記事もご一緒にご覧ください。

2.日本酒度、酸度、アミノ酸の成分の違いで選ぶ

日本酒にはアルコール度数や甘辛度、 数値化できるものがあり、 多くの蔵元さんは、銘柄の数値を公表しています。日本酒度、酸度、アミノ酸のことですね。

 

  • 日本酒度・・・日本酒の糖分による数値
  • 酸度・・・日本酒の成分の中にある酸の数値
  • アミノ酸・・・日本酒の成分にあるアミノ酸の数値

ラベルに表記されている銘柄もあります。 飲む前に、強め優しめなど想像しやすく、 その度数を参考に選ぶこともできます。

 

日本酒度、酸度、アミノ酸をくわしく知りたい方は、こちらのページに詳しく書いていますのでご覧ください。

3.純米酒、純米吟醸、吟醸酒、山廃の製法の種類で選ぶ

こちらも選び方として分かりやすいでしょうか。 使用する原料と、精米歩合によって 規定された表記ができる、「特定名称酒」というものがあります。 大吟醸や純米酒、本醸造など、 ラベルに大きめに記載されていることが多いです。

 

製法によって、香りも甘辛度も口当たりも違います。はじめての方は、吟醸酒、純米吟醸、純米、山廃づくりのお酒の順番で試すをオススメします。

 

華やか、飲みやすさ、甘めのお酒から、徐々に複雑な、酸が効いて、濃厚な味わいを感じてほしいからです。

日本酒の製法によって特定名称酒があります。こちらの記事もご一緒に見ることをオススメします。

4.酒蔵のこだわりで選ぶ

酒蔵のある土地やお酒を造る杜氏さんの個性、酒蔵の信念によっても 味わいは変わります。 お気に入りの酒蔵さんを見つけるのも、日本酒の大きな楽しみの一つです。 

 

弊社では、全国各地で地元の風土を大切にしながらコツコツとしっかり酒造りに向き合う酒蔵を応援しています。

 

せっかくの機会ですので、ご紹介させてもらいますね。みなさんも応援してもらえると嬉しいです。

タイプ別おすすめの日本酒4選

それでは、今回は4つの味わいタイプでオススメをご紹介しますね。バラエティーにとんだお酒を用意しました。ご自身の好きなタイプを見るけるのに役立ててくださいね。

淡麗甘口でおすすめの銘柄

とにかく優しい、心も癒す純米吟醸

嘉美心 純米吟醸

 

華やかな香りのお酒も美味しいですが、このお酒はどんな食事と合わせても邪魔をしない落ち着いたお酒を目指して醸されています。

 

全体のバランスを重視し、飲み飽きせず、いつまでも飲んでいたいと思うようなお酒です。香りは穏やかで、初めは甘みから、徐々に旨味が加わり滑らかで優しい印象です。

 

また、口に含んだ瞬間に感じる発泡感もスッキリとした飲みやすさを演出します。

 

製造元 嘉美心酒造(岡山県)
アルコール度数 15度
原料米 アケボノ米
精米歩合 58%
酵母 9号系
日本酒度 -3
酸度 1.5
アミノ酸 -

 

淡麗辛口でおすすめの銘柄

香り華やか、飲めば刺激的な辛さのツンデレタイプ

澤の花 ささら

 

吟醸香と味の膨らみ、後口のドライなキレと辛さが特徴口に含んだ瞬間から刺激を感じられます。

 

穏やかな甘みと旨味も同時に感じられ、徐々に酸味、苦みも加わり、最後まで刺激は強く、飲みごたえのあるお酒です。

 

製造元 伴野酒造(長野県)
容量 1800ml
価格 2,640円
アルコール度数 16度
原料米 ひとごこち
精米歩合 60%
酵母 9号系+M310
日本酒度 +12
酸度 1.4
アミノ酸 1.0

芳醇甘口でおすすめの銘柄

まるで貴腐ワインのような日本酒

大倉 源流 菊もと純米二段仕込直汲み生

 

菊もととは菊の花が咲く時期に行う「水もと」の造り。水もととは600年以上前に確立された自然の乳酸菌を使う伝説的な造り。

 

その造りを現代にアレンジして造られたお酒です。ブルーチーズのような強烈な立ち香に驚かされた後、口に含んでみると和柑橘のような含み香とのギャップ。

 

とろりとした濃厚な甘みと、酸度5以上の強烈な酸味が共存する、「まるで貴腐ワインのようだ」と称されたお酒。

酒度-41、酸度5.6というのは他のお酒ではなかなか体験できないスペックです。

 

製造元 大倉本家(奈良県)
容量 1800ml
価格 3,300円
アルコール度数 17.6度
原料米 吟のさと(奈良県産)
精米歩合 70%
酵母 自社酵母
日本酒度 -41
酸度 5.6
アミノ酸 3.2

芳醇辛口でおすすめの銘柄

ラベルも強烈、味は鮮烈キレ味王道ドライ

百十郎 大辛口純米酒 赤面(あかづら)

 

炊き立ての米を思わせるしっとりとふくよかな香り。ハーブの清々しいアロマが心地よく調和しています。

 

フレッシュでやわらかな旨味から、活き活きとした酸。ラストは軽やかにほろ苦い辛口フィニッシュ。

 

和食だけでなくイタリアンやフレンチ・中華といったさまざまな食事に合わせられます。

 

製造元 林本店(岐阜県)
容量 1800ml
価格 2,420円
アルコール度数 15度
原料米 あいちのかおり
精米歩合 70%
酵母 岐阜G酵母
日本酒度 +10
酸度 1.4
アミノ酸 非公開

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