ジンを飲み始めると
「ボタニカル」
という言葉をよく耳にしませんか?
ボタニカルは、お酒やジンの中だけの言葉ではありません。美容系にもボタニカルという言葉がよく出てきますよね。
また、
ジュニパーベリーて何?どんなものなの?
て思ってる方も多いのではないでしょうか。
ボタニカルである原料のイメージをもってもらうとジンの楽しさが3倍に広がります。それでは始めていきましょう!
ボタニカルの意味
ボタニカルの意味ですが、抽象的な表現が多いのですが、weblio辞書にわかりやすく説明されていたので、こちらに引用させていただきます。
「植物の」という意味で用いられる表現。さまざまな分野で用いられており、文脈に応じて解釈がやや異なる。
ファッションの分野では、花や葉などの植物の意匠を取り入れた柄や造形を指して「ボタニカル柄」「ボタニカルモチーフ」というような表現が用いられている。
化粧品・美容品の分野では、主に「植物由来成分を配合している」という意味で「ボタニカル成分」とか「ボタニカルコスメ」あるいは「ボタニカルシャンプー」といった表現が用いられる。
酒・カクテルの話題においては、蒸留酒(とりわけジン)の原料に用いられる香草類の総称として「ボタニカル」と呼ぶ場合がある。
ボタニカルは英語の botanical (植物の)をそのままカタカナ表記した言い方である。英語の botanical は基本的には形容詞であるが、名詞としての用法もある。なお botanical の派生元といえる名詞は botany (植物学)である。
ジンのボタニカルの由来
じゃ、なぜジンは、ボタニカル(香草類)が、原料に使われたのでしょうか?
それは、ジンが発祥した歴史に関係しています。
1660年にオランダで薬用酒として誕生したジンは、ジュネヴァとも呼ばれいてます。この薬用酒として製造するときに、香草類を利用したというわけです。実は、後ほど説明するジュニパーベリーをアルコールに漬けて蒸留し、熱病の薬や強壮剤として使われていたようです。
そこからジンがヨーロッパに広がっていく中で、独自の製法としてジュニパーベリー以外の香草を原料としたレシピが開発されてきたのです。つまり、国や生産者によって扱う原料がいろいろあるということになります。
ボタニカルの代表的な12種類
読者のみなさんは、ボタニカルが香草類だということはご理解いただけたと思います。じゃ、ボタニカルである原料をひとつひとつ見ていきましょう。
ボタニカルで有名なジュニパーベリーは知っている方も多いと思いますが、実際に普段の生活に馴染みが深いかと言えば、あまりそうではありません。
なので、ジンで使われる代表的なボタニカル12種類をここで説明していきます。もちろん12種類以外にもたくさんのボタニカルはあります。例えば、紫蘇、茶、柚子など。こちらは国産なのでどんな香りでどんな特色かは、みなさんご存じだと思うので、ここでは海外のジンによく使われている代表的なものに絞って説明します。
我が編集部も原料を仕入れて、第1印象の香りを専門的な表現でなく普段の言葉でわかりやすくお伝えしていきますね。
編集部スタッフには、変なバイアスがかからないよう材料名や材料の説明は一切なしで検証しています。
ジュニパーベリー
セイヨウネズ(西洋杜松)というヒノキ科の針葉樹で北半球の寒い地域に生育します。木の特長としては低い木で、大きいもので10メートルまでになります。ジュニパーベリーは、セイヨウネズの球果つまり丸い実ですね。最初は緑色の実ですが、1年ほど熟してくると緑色から紫、黒色に変化します。
香りの印象は、木材のような
少し湿気を帯びた香り。
ほのかに正露丸!?
少し場違いかもしれないけど
バンドエイドの香り??
カルダモンシード
カルダモンはショウガ科の植物から作られる香辛料です。インド大陸が主な原産になります。現在ではグアテマラがインドを抜いて世界最大の生産国です。カルダモンは古いスパイスのひとつになり世界で3番目に高価な香辛料です。ちなみに価格の高い1番と2番は、バニラとサフランです。
あるあるです。
柑橘系のような爽やかな香りと
草の青っぽい香り。
レモンの香りがします。
上品な香り!
リコリス
リコリスはスペインカンゾウ(スペイン甘草)からとれる香辛料です。植物でいえばマメ科。名前の通りスペインが主な生産国です。甘味料やスパイス、ハーブ、薬用に使われる。欧米ではリコリス菓子の甘味料としても使われています。
きな粉のような・・・
それでいて少し土っぽい
香りもしますね。
若い青い香り。エンドウ豆。
マメ科の植物と聞いて納得です!
ナッツ系の香り。
アニスシード
アニスはセリ科の植物で地中海東部の国で生産されています。香りの成分はアネトールで、同じ成分を持つファンネルシードにも似た甘い香りがする。古代エジプトではミイラを作る臭い消しにも使われた記録もある。リキュールのアブサン、ウーゾ、イエーガーマイスターに使われている。
カモミールみたいな?
爽やかな薬草みたいで、
少し甘さを感じる香り。
よくありますね・・・
エスニックなイメージです。
フェンネル
ウイキョウはセリ科の植物で英語名がファンネルになります。こちらもアニス同様地中海を中心に生育する。料理ではスープ、シチュー、肉料理、魚料理の香辛料、イタリア料理では代表的な食材のひとつになる。リキュールではアクアビット、パスティスなどに使われている。
スパイシーな香り。
カレー屋さんの匂いに近い。
新しい畳のような感じです。
でも、カレー屋さんと
言われれば・・・
その匂いしかしません(笑)
シナモン
シナモンはニッケイ属の樹木の皮からできる香辛料なります。スリランカのセイロンシナモン、中国のカシア、ニッキのことをいいます。世界最古のスパイスといわれ、紀元前4000年前のエジプトでは、ミイラの防腐剤として使われています。香辛料としてシナモンコーヒー、アップルパイに使われている。日本でいえば菓子の八ツ橋に使われている。
甘くて薬膳な香り。
ド定番の生八つ橋に同意。
アンジェリカ
アンジェリカはセイヨウトウキ(西洋当帰)のセリ科の植物です。欧州各地で生育します。アンジェリカは、ラテン語で天使から由来します。伝説として、疫病が流行ったときに、修道僧の夢の中で天使が現れ、セイヨウトウキに疫病を防ぐ効果があるといわれたのがきっかけで「天使のハーブ」とも言われています。
ハーブらしい香りです。
その奥に焦げ感みたいな
香りもあります。
レモンの香りがします。
コリアンダー(コエンドロ)ホール
コリアンダーは、セリ科の植物です。タイではパクチー、中国ではシャンツァイ(香菜)、日本ではコエンドロで呼ばれています。ヨーロッパを中心に中国、日本など各地で生産されています。葉や茎はタイ、ベトナム料理でパクチーとして有名です。ジンでは種子のコリアンダーホールが使われ、パクチーのような個性的な香りはなく柑橘の香りが特徴です。
つぶしてみました。
そしたらクセを取り除いた
爽やかなパクチーな香り。
私はつぶさなかったので
薄ーく酸っぱい匂いでした。
オリスルート
オリスは、アヤメ科の植物でヨーロッパが原産地になります。ギリシャ・ローマ時代から香水に利用されています。イタリアのフィレンツェではマークになっているぐらいヨーロッパでは人気です。根は香水や化粧品の原料として使われています。ハーブとしてはアロマバスなどに使われています。
瓜系ですか?
少し甘く水っぽさを感じる香り。
ようなニオイがしますね!
あとで香水に使われていると
聞いて納得です。
キャラウエイ
キャラウエイはヒメウイキョウのセリ科の植物になります。ヨーロッパが原産地になります。中世では、キャラウエイには、人や物を引き止めたり結び付けたりする力があったと信じられていました。なのでキャラウエイの種子を入れた品物は盗難にあわない、惚れ薬に使われたりしたようです。お酒ではイタリアのリキュール、カンパリのフレーバーとして使われています。
甘いようなスパイシーなような
複雑で芳醇な香り。
ワックスや文房具ののりの香りがします。
オレンジピール
オレンジは、柑橘類のミカン科になります。原産地インドからヨーロッパ、中国、日本、アメリカ、ブラジル等世界中で生産されています。オレンジピールは果皮のことです。
甘さより酸味を感じるオレンジですね。
甘さより酸味を感じるオレンジです。
果物のみかんというより、
乾いたミカンの感じです。
レモンピール
レモンはミカン科の木になります。原産地はヒマラヤ東部。生産国ベストテンは1位から順番にインド、メキシコ、中国、アルゼンチン、ブラジル、スペイン、トルコ、アメリカ、イラン、イタリアになります。オレンジ同様、果皮のことをレモンピールと呼ばれています。
少しスパイシーを感じる香りもあります。
甘い香りもしました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ジンを楽しむためのワンステップとして、ボタニカルをテーマにしました。
以外と、お酒で使われる原料って、国内のものならともかく海外で日ごろから馴染みの無い物はなかなかお酒のイメージが湧きませんよね。
なので原料を知るところから始めるとジンを飲むときの幅がグンと増えたりするんですね。特にジンは香草類が香りのもとになるので楽しみやすいです。
これは、日本酒でも焼酎でもワインでも同じことが言えます。編集部ではいつもその香りの訓練をしたりするんです。
今度、訓練用のボタニカルを販売しようかと思ったりします(笑)。
興味のある方はご連絡ください。