酒田酒造は、その長い歴史と一貫した品質へのこだわりで知られる日本酒造メーカーです。伝統的な酒造りの技術を受け継ぎながらも、常に革新を求める姿勢が酒田酒造の特徴です。この記事では、酒田酒造の歴史、酒造りのプロセス、使用する原料、そしてその背後にいる杜氏の技と哲学に焦点を当てます。

歴史と創業 酒田酒造の起源は、戦前にさかのぼります。当初は男山・養老・藤屋・千里井・玉の川といった地元酒田の五つの蔵元が存在していましたが、昭和21年にこれらが合併し、橋酒造場が設立されました。この時期に「上喜元」という銘柄が命名され、これが現在に至るまで続く酒田酒造の象徴となりました。酒田酒造の母屋である橋本家の建物は、その歴史的価値から文化庁の文化財にも登録されています。

佐藤正一さんは、山形県を代表する銘柄「上喜元」の顔として、杜氏としての名声を早くから得てきました。1998年からは社長職も兼務し、蔵元杜氏の先駆けとして酒田酒造株式会社を牽引しています。佐藤さんのリーダーシップの下、「上喜元」は吟醸造りや生もと造りに早くから取り組み、その結果、全国新酒鑑評会での金賞受賞歴が国内トップクラスに位置しています。彼の醸造技術は、20種類以上の酒造好適米を使いこなすという点で特に卓越しています。一部の酒米は自ら作付けを行うほどで、米に対する造詣の深さが彼の酒造りの品質をさらに高めています。これにより、多品種の酒米の個性を理解し、その味わいを巧みに酒に表現することができるのです。

酒田酒造の酒造りは、厳選された原料と熟練した技術によって支えられています。特に、米と水の選定には非常に厳しい基準があります。使用される水は、地元の清らかな水源から採取され、米は地域で栽培された高品質の酒米が用いられます。これらの原料を基に、伝統的な手法と最新の技術が融合した酒造りが行われています。独自の精米技術や発酵方法が、酒田酒造の日本酒特有の味わいを生み出しています。

日本の主食である「米」は、その多様性においても特筆すべき存在です。さまざまな種類の米が持つ独特の旨味は、それぞれ異なる特性を日本酒にもたらします。酒田酒造で使用する各種米は、その個性を最大限に引き出すため精選されています。この精選された米から生まれる日本酒は、米の本来の味わいを余すことなく表現し、飲む人に真の美味しさを提供します。「米が違えばお酒の味も違う」という信念のもと、私たちは米の持ち味を尊重した酒造りに努めています。それぞれの米に最適な醸造法を選定し、米本来の風味が生きる日本酒を目指しています。このプロセスは、単なる技術の問題ではなく、米と対話しながら最高の味を引き出す芸術作品を創造する作業です。

ただ美味しい日本酒を造ることだけではありません。私たちの仕事は、日本酒が持つ無限の可能性を通じて、飲む人々に喜びと感動を提供することです。それぞれの米から生まれる個性豊かな日本酒を通じて、日本人としての誇りと文化の素晴らしさを伝えていきたいと考えています。

私たち酒田酒造は、米という素晴らしい資源を尊重し、それを用いて人々に感動を与える日本酒をこれからも醸し続けます。私たちの日本酒が、あなたの日常に小さな幸せと感動の瞬間をもたらすことを願っています。

近年の受賞歴

2023年
    
全国新酒鑑評会にて「上喜元 大吟醸 出品酒」が金賞を受賞。
SAKE COMPETITION 2023 純米部門「上喜元 純米 米ラベル」が銀賞を受賞。
2022年
    
全国新酒鑑評会「上喜元 大吟醸 出品酒」にて金賞受賞。
東北清酒鑑評会 吟醸酒の部「上喜元 大吟醸 山田錦」が優等賞を受賞。
東北清酒鑑評会 純米酒の部「上喜元 純米大吟醸 雪女神」が優等賞を受賞
2021年
    
全国新酒鑑評会「上喜元 大吟醸 出品酒」において金賞を受賞。
東北清酒鑑評会 吟醸酒の部「上喜元 大吟醸 山田錦」優等賞を受賞。
東北清酒鑑評会 純米酒の部「上喜元 純米大吟醸 雪女神」優等賞を受賞。
全国選抜清酒品評会「上喜元 大吟醸 山田錦」【第5位】

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