あさ開酒造(あさびらきしゅぞう)は、岩手県盛岡市大慈寺町に位置し、明治4年(1871年)に南部藩士の七代目・村井源三が創業しました。その名は万葉集の和歌に由来し、船が早朝に漕ぎ出す枕詞「あさ開」に因んでいます。侍から商人として再出発した源三は、明治という新しい時代の幕開けにふさわしい名を選びました。創業精神「時を拓き、心を開く」を掲げ、困難に立ち向かいながら、常に未来を展望し続けています。
酒蔵は岩手の豊かな自然に恵まれた環境を最大限に活かし、米と水、そして南部杜氏の伝統技術を駆使した酒造りに励んでいます。仕込み水には、敷地内から湧き出る平成の名水百選に選ばれた「大慈清水」を使用。この清らかな水と南部流の技術で醸された酒は、きれいでありながら旨味があり、男女問わず多くの人々に愛されています。
現在、あさ開酒造は創業以来の村井家の家業から企業へと進化しようとしています。執行役員社長の獅子内一義氏(48歳)は、その変革期をリードしています。コロナ前から社内の若返りを図り、若手中心の会社に移行しました。獅子内氏が執行役員社長に就任したのも、その一環です。
あさ開酒造は2021年で創業150周年を迎えました。この節目に新しい酒造りへの挑戦として、プロジェクトを立ち上げました。これは若手が主体となって取り組むプロジェクトで、名工・藤尾正彦氏(80歳)から技術を学びつつ、次世代の酒造りを目指しています。藤尾氏は2005年度に厚生労働大臣賞「現代の名工」を受賞し、1984年からあさ開の杜氏を務める南部杜氏の名匠です。
プロジェクトでは、酒蔵もつくり手も成長過程にある意を込めた楽しいネーミングで新商品を造りだしています。あさ開酒造は、伝統を守りつつも、新しい時代に対応するための挑戦を続けています。これからも、150年の歴史を次世代に繋ぎ、さらに進化し続ける酒造りを目指しています。
近年の受賞歴
2023年 | Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~ スパークリング部門金賞受賞 全国燗酒コンテスト お値打ちぬる燗部門金賞受賞 お値打ち熱燗部門金賞受賞 |
2017年 | 南部杜氏自醸清酒鑑評会にて首席第1位 受賞 |