山形県天童市に位置する出羽桜酒造は、1892年の創業以来、伝統的な技術と革新的な取り組みを融合させた酒造りで知られています。出羽桜は、その独自の哲学と環境への配慮、そして国内外での数々の受賞歴によって、日本酒業界におけるその地位を確固たるものにしています。

出羽桜酒造の歴史は、初代仲野清次郎が酒造業を開始した明治時代にさかのぼります。以来、この酒蔵は「桜花吟醸酒」をはじめとする多くの銘柄を世に送り出しており、吟醸酒の普及にも大きく貢献しています。特に1980年に発売された桜花吟醸酒は、その後の日本酒市場に大きな影響を与えました。

出羽桜酒造では、日本酒の品質を左右する重要な工程である精米に特に注力しています。自社の精米場で、精米歩合50%にまで米を磨き上げることで、タンパク質などの不純物を減少させ、清らかで雑味のない酒質を実現しています。この高度な精米技術により、味わいの深い日本酒を造り出す基盤を築いています。 水と米の最適化 酒造りにおいて水は非常に重要な要素です。出羽桜酒造では、山形県特有の優良な地下水を使用しています。この水は鉄分が少なく軟水であるため、酒造りに適しており、柔らかく透明感のある酒質を生み出すのに役立っています。

また、地元山形県産の酒米「出羽燦々」や「雪女神」を使用し、地域資源を最大限に活かした酒造りを行っています。 発酵技術の最前線 発酵工程も出羽桜酒造の技術革新の見せ場です。低温で長期間の発酵を行うことで、フルーティで繊細な味わいの吟醸酒を得意としています。山形県の厳しい冬の気候が、雑菌の繁殖を抑え、理想的な発酵環境を提供します。さらに、独自に開発した麹菌や酵母を使用し、特有の味わいを引き出しています。

会社として環境保全にも力を入れており、2014年には蔵の屋根にソーラーパネルを設置し、太陽光発電を開始しました。また、過剰包装の見直しを行うなど、持続可能な酒造りを目指しています。これらの環境保全活動は、酒蔵が社会的な責任を果たす一環として位置づけられています。

商品の品質は、国内外の酒評会で高く評価されており、その品質は世界中から認められています。特に「出羽の里」は、国際的な評価を受け、多くの受賞歴を誇ります。また、GI山形認定を受けたことで、山形県産の日本酒としてその地位をさらに固めることができました。

出羽桜酒造は、その長い歴史と革新的な取り組みによって、日本酒業界におけるリーダーの一つとして位置づけられています。伝統的な技術と最新の技術の融合、環境への配慮、そして国内外での評価が、この酒蔵の特色を形成しています。これからも、出羽桜酒造は多くの人々に愛され続けるでしょう。

近年の受賞歴

2022年
    
令和4年東北清酒鑑評会(仙台国税局主催)の審査結果が発表になり、「吟醸酒の部」にて本社蔵、山形蔵、両蔵が優等賞を受賞。

全米日本酒歓評会2022にて、計7銘柄が受賞しました。
・吟醸部門 グランプリ 純米吟醸 雄町
・大吟醸A部門 準グランプリ 大吟醸酒
・大吟醸A部門 金賞 純米大吟醸 雪女神 三割五分
・大吟醸B部門 金賞 純米大吟醸 一路
・大吟醸B部門 金賞 純米大吟醸 原酒
・吟醸部門 金賞 純米吟醸 出羽燦々
・吟醸部門 金賞 桜花吟醸酒

IWC(インターナショナルワインチャレンジ)のSAKE部門にて、「出羽桜 大吟醸酒」が大吟醸酒部門のトロフィーを受賞。
2020年
    
全米日本酒歓評会にて「出羽桜 大吟醸酒」、「出羽桜 純米大吟醸 雪女神 3割5分」、「出羽桜 純米大吟醸 原酒」、「出羽桜 桜花吟醸酒」、「出羽桜 純米吟醸 雄町」が金賞を受賞し、「出羽桜 桜花吟醸酒 山田錦」、「出羽桜 純米吟醸酒 つや姫」が銀賞を受賞。

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