ウイスキー飲み方

 

ウイスキーは奥深く面白いお酒です。もともとウイスキーにはたくさんの種類がありますが、奥深さや面白さは種類の違いだけではありません!日本にウイスキーが伝わるまでの歴史も見逃せません。

 

ウイスキーには、その1本からいくつもの味わいを生み出せる魅力があります。爽快感や香り、オシャレな見た目までさまざまな希望を叶えてくれる、その秘訣は、飲み方。

 

ここでは、ウイスキー初心者の方から、ウイスキーをもっと楽しみたいという方に、基本となる飲み方や簡単にできるアレンジをご紹介します。

 

ウイスキーの飲み方基本の9種類

ウイスキーは、原材料や熟成によって香りや風味が異なるお酒です。ウイスキーの特徴は、何といってもその香り。熟成の年月や樽によっても変化する香りは、天然のアロマのようなイメージです。

 

しかし、初心者にとっては高いアルコール度数が気になるところ。冷やしたり水や炭酸で割るとアルコールの刺激が軽くなります。逆に温めると独特の香りが立ち、一気に大人の雰囲気になります。

 

工夫しだいで、初心者にもお酒に自信がある方にもぴったりなお酒になります。

 

ハイボール

 

ウイスキーといえばハイボール!というくらいポピュラーな飲み方です。ウイスキーを炭酸で割ることで、アルコールの風味を軽くしているのが特長。初心者には特におすすめです。

 

すっきりとした味わいは、食事の邪魔もしません。お風呂上りや暑い日にも爽快感を感じられる、シーンを問わない飲み方です。

作り方 1,グラスに氷を入れます。
2,氷の入ったグラスにウイスキーを注ぎます。
3,ウイスキーの3~4倍の炭酸を、氷を避けるようにして注ぎます。
4,氷を上下に揺らす程度にやさしく混ぜます。
説明

グラス、炭酸はよく冷やしておくとアルコールを感じにくくより軽やかになります。初心者は、お好みで炭酸の割合を増やしてもOK!

炭酸は、氷を避けるようにして注ぎ、混ぜるときにも氷を軽く上下に動かす程度にするとシュワシュワ感が抜けるのを防げます。

お好みで、レモンを搾ると爽やかさが引き立ちます。冷凍のカットレモンを入れるのもおすすめです。

 

 

水割り

 

ウイスキーを水で割ったシンプルな飲み方。すっきりとしながらもまろやかさを感じる味わいが特長です。

 

水で割ることでアルコール度数が抑えられ、さらに氷で冷やされることで飲みやすくなります。食事との相性も良く、ハイボールと同じようにシーンを選ばない飲み方です。

作り方 1,グラスに氷を入れます。
2,ウイスキーを注ぎます。
3,ウイスキーの2~3倍くらいの水を注ぎます。
4,軽く全体を混ぜます。
説明

基本の比率は、ウイスキー:水=1:2~3ですが、お好みの濃さになるよう水の割合を調節しましょう。

グラスは大き目のタンブラーを用意するとたくさん氷が入れられます。グラス、水は冷たい方が口当たりが軽くなります。

一般的に、ウイスキー30㎖で作ったものを「シングル」60㎖で作ったものを「ダブル」と呼びます。

 

 

ストレート

 

呼び名のとおり、ウイスキーをそのまま味わう飲み方です。ウイスキーの味と香りをダイレクトに感じられるのが特長。

 

そのままウイスキーだけを味わうのではなく、チェイサーと呼ばれる冷たい水を交互にいただきます。チェイサーはお口直し。口の中をすっきりとさせ、一口ごとのウイスキーの味や香りの感覚を引き立てます。

 

また、高いアルコールを和らげ悪酔いを防ぐ効果もあります。

作り方 1,グラスに氷を入れ、水を注ぎチェイサーを用意します。
2,透明で厚みのないテイスティンググラスを用意します。
3,グラスに、常温のウイスキーを注ぎます。
説明 ウイスキーは常温の方が、味や香りを強く感じられます。また、テイスティンググラスを使うのは、空気に触れて香りなどが変化するウイスキーの様子を感じられるようにするため。
途中からチェイサーの水を少しずつ足すと、味の変化も楽しめます。

 

 

ハーフロック

 

個性が強すぎるウイスキーを味わうときにぴったりな飲み方です。アルコールを抑え、独特の味や香りを和らげつつもしっかり味わえるのが特長。

 

バーボンやスコッチなどの香りや風味が独特なウイスキーを飲むときにおすすめです。

作り方 1,ロックグラスに大き目の氷を入れます。
2,グラスにウイスキーを注ぎます。
3,ウイスキーと同量の水を注ぎます。
4,全体を混ぜ合わせます。
説明

ハーフロックの比率は、ウイスキー:水=1:1です。グラス、水は冷やしておきましょう。氷は市販の大き目なものを用意します。

氷が溶けやすいと1:1のハーフロックの比率が崩れ、水割りになってしまいます。ウイスキーと水の1:1は、ウイスキーの味と香りを最も感じられる黄金比です。

 

 

オン・ザ・ロック

 

日本では通称「ロック」と呼ばれている飲み方です。ウイスキーを氷で冷やすことで、アルコールの刺激を和らげながら味わえるところが特長。

 

氷が溶けるにつれて濃度が変化していくウイスキーを、ゆっくりと楽しむ大人の一杯です。

作り方 1,ロックグラスに大き目の氷を入れます。
2,ウイスキーを氷にかかるようにゆっくり注ぎます。
3,全体を軽く混ぜます。
説明 グラスを冷やしておくと、アルコールの刺激を抑えすっきりと飲みやすくなります。氷は市販のものの方が溶けるのがゆっくりなため、長くウイスキーを味わえます。

 

 

トワイスアップ

 

トワイスとは、2倍という意味。常温の水でウイスキーを2倍に割る飲み方です。常温の水で割ることで、アルコールは抑えつつ、ウイスキーの持つ豊かな香りを感じやすくしているのが特長。

 

ウイスキーは冷やすと香りを感じにくくなるため、常温の水というところがポイントです。

作り方 1,グラスにウイスキーを注ぎます。
2,ウイスキーと同量の常温の水を注ぎます。
3,グラスを軽く揺らして全体を混ぜます。
説明

基本比率は、ウイスキー:水=1:1が黄金比です。しかし、個性的なウイスキーの場合は、水の量を加減すると良いでしょう。

混ぜる時にも、静かに揺らす程度で香りがたちます。グラスは、ワイングラスのような足のついているグラスを使うと揺らしやすく香りがひらきやすいです。

 

 

ウイスキーフロート

 

水よりもわずかに比重の軽いウイスキーが、水の上に浮かんでいるようなオシャレな見た目です。

 

かき混ぜずに層のままいただくことで、始めはストレートの味と香りを味わえ、だんだんと水と溶けあう変化を感じられるのが特長。1杯で2度おいしい飲み方です。水と混ざることで悪酔いも防げます。

作り方 1,グラスに半分~6分目くらいまで水を注ぎます。
2,ウイスキー45㎖を別のグラスかメジャーカップに移します。
3,バースプーンか小さく柄の長いスプーン、マドラーなどに沿わせるようにして、ウイスキーを慎重に水の上に浮かべます。
説明

基本比率は、ウイスキー:水=6:4または、7:3です。ウイスキーが多すぎても少なすぎても層がつくりにくくなります。

ウイスキーを注ぐときには、マドラーなどのほか竹串を使ってもOK。慎重に水の上に浮かせるイメージで注ぎます。このとき、マドラーなどはできるだけ寝かせるようにすると層が作りやすくなります。水面も揺らさないようにしましょう。

 

 

ミスト

 

クラッシュ氷にウイスキーを注いだ、見た目にも清涼感を感じる飲み方です。溶けるのが早いクラッシュ氷を使うことで一気にアルコール度数が抑えられ、軽い飲み口になるのが特長。

 

全体が冷えて、グラスが霧(ミスト)がかったように水滴で白くなることから、この名前が付きました。

作り方 1,グラスにクラッシュ氷をたっぷり入れます。
2,クラッシュ氷の入ったグラスにお好みの分量のウイスキーを注ぎます。
3,全体を混ぜます。
説明 お好みで、レモンの皮を搾るとより爽やかな風味になります。
たくさんクラッシュ氷を入れ、キンキンに冷えた状態にすると口当たりがより軽くなります。

 

 

ホットウイスキー

 

ウイスキーをお湯で割り、あたたかく味わう飲み方です。温めることでウイスキー本来の豊かな香りが広がるのが特長。味や風味のアレンジも工夫することができます。

 

穏やかに身体をあたため、ふんわりとした香りでこころもほぐす、癒し効果は抜群です!

作り方 1,あらかじめ耐熱グラスを温めておきます。
2,ウイスキーをグラスの1/3~1/4くらいまで注ぎます。
3,グラスに、ウイスキーの2~3倍ほどのお湯を注ぎます。
4,全体を混ぜます。
説明

ウイスキーが冷えてしまわないように、グラスはお湯で温めます(グラスが温まったらお湯は捨てる)。

お好みで、スライスレモンやシナモンスティックを添えるとさらに香りが楽しめます。ジャムやはちみつの甘味を加えたり、ミルクを入れるアレンジもできます。

 

 

美味しく飲むためのポイントは?

ウイスキーをより美味しくするのは、飲み方だけではありません。ウイスキーを彩る氷、水、グラスやコースターにも微妙な味や香りの変化のポイントがあります!

 

市販のロックアイスは、溶けにくくウイスキーが薄まるのをゆっくりにします。また、家庭でも透明な氷は作れます。水道水を煮沸して常温に冷まし、製氷皿を使って-4度~-10度くらいでゆっくり凍らせると透明な氷になります。

 

水もミネラルウォーターにこだわってみましょう。ミネラルウォーターには硬水や軟水があるためお好みのもを探すのも楽しいです。

 

グラスは、飲み方に応じて使い分けます。オン・ザ・ロックなどの時は、ガラスが厚く背が低めのロックグラス。大き目の氷をゆっくりと溶かしながら味わう時にぴったりです。

 

ハイボールには、背の高いハイボールグラス。氷や炭酸がたくさん入れられるため、ウイスキーの濃度を抑えた飲み方に適しています。

 

涼やかにグラスを曇らす水滴は、光にあたるとキラキラと輝き、目も楽しませてくれます。しかし、テーブルに広がる水たまりは残念な気分になります。ポップなものからシャープなものまで、シーンに合わせてコースターをチョイスしましょう!

 

ウイスキーを使ったおすすめのカクテル

ウイスキーの飲み方は、シンプルにウイスキーの味を楽しむ飲み方だけではありません。カクテルの世界でもウイスキーはいい仕事をしてくれます。

 

マンハッタン

 

・材料
ウイスキー(ライ・ウイスキー)…50㎖
スイートベルモット…25㎖
アンゴスチュラビターズ…1滴
マラスキーノチェリー…1個
レモンピール…適量

作り方 1,冷やしたカクテルグラスを用意します。
2,ミキシンググラス(混ぜ合わせるためのグラス)にアンゴスチュラビターズ、ウイスキー、ベルモットの順に注ぎます。
3,軽く全体を混ぜ合わせ、カクテルグラスに注ぎます。
4,カクテルピンに刺したマラスキーノチェリーを飾り、レモンピールを搾ります。
説明

「カクテルの女王」と呼ばれるマンハッタンのアルコールはおよそ30度。悪酔いを防ぐため、ゆっくり楽しみましょう。

ベースをスコッチウイスキーに変えると「ロブロイ(スコッチマンハッタン)」という名前のカクテルになります。

 

 

ニューヨーク

 

・材料
ウイスキー(ライ・ウイスキー)…45㎖
ライムジュース…15㎖
グレナデンシロップ…小さじ1/2
砂糖…小さじ1
オレンジピール…適量

作り方 1,冷やしたカクテルグラスを用意します。
2,シェイカーに氷、ウイスキー、ライムジュース、グレナデンシロップ、砂糖を入れ、素早くシェイクします。
3,カクテルグラスに注ぎ、オレンジピールを搾ります。
説明 甘味のあるカクテルですが、アルコールはおよそ25度。少しずつ楽しむ大人のお酒です。
砂糖を抜き、バーボンウイスキーを使うと「ニューヨーカー」というカクテルになります。

 

 

ゴッドファーザー

 

・材料
ウイスキー…45㎖
ディサローノ・アマレット…15㎖

作り方 1,ロックグラスに氷を入れます。
2,ウイスキーとディサローノ・アマレットを注ぎます。
3,軽く全体を混ぜます。
説明 アマレットの甘さが入り口当たりはなめらかですが、アルコールは35度。ゆっくり氷を溶かしながらいただきます。

 

 

初心者におすすめする飲み方

ウイスキーの高いアルコールや豊かな香りは、初心者にとっては手が出せない理由にもなります。しかし、ウイスキーはお酒に自信がある人だけのものではありません!

 

氷や水をたっぷり使ったり甘いカクテルにするなど、飲み方のひと工夫で初心者も一緒に楽しめるお酒になります。

 

ジュース割り

 

・材料
ウイスキー…グラス1/3~1/4くらい
お好みのジュース…適量
氷…適量

作り方 1,グラスに、氷をたっぶり入れます。
2,ウイスキーを注ぎます。
3,ジュースを好きなだけ入れます。
4,全体を混ぜます。
説明

ウイスキー:ジュースの比率は、お好みの濃さに調節できます。グラス、ジュースは冷やしておきましょう。冷たいほど、アルコールの刺激を和らげてくれます。

オレンジジュースやりんごジュースは、甘くすっきりといただけます。ピーチネクターだと、ウイスキーのわずかな苦みを感じにくくしてくれます。また、カルピスなどでもまろやかになります。

 

 

 

コークハイ

 

・材料
ウイスキー…グラス1/3~1/4くらい
コーラ…適量
氷…適量

作り方 1,グラスにたっぷり氷を入れます。
2,ウイスキーを注ぎます。
3,氷を避けるようにしてコーラを注ぎます。
4,やさしく全体を混ぜます。
説明

クラッシュアイスなどの細かい氷を使うと、溶けるのも早く、ウイスキーの濃度も下がりやすくなります。全体を混ぜるときは、マドラーを縦にやさしく動かし氷を揺らす程度にすると、炭酸が抜けるのを防げます。

お好みで、レモンやライムを搾るとより爽やかなテイストになります。

 

 

ジンジャーハイボール

 

・材料
ウイスキー…グラス1/3~1/4くらい
ジンジャーエール…適量
氷…適量

作り方 1,グラスに氷を入れます。
2,ウイスキーを注ぎます。
3,ジンジャーエールを氷を避けるように注ぎます。
4,やさしく全体を混ぜます。
説明

濃さの比率は、お好みで調節できます。ジンジャーエールにも甘口や辛口があるため、試してみると良いでしょう。

さらに甘さを足したいときにはジンジャーシロップを、辛さを足したいときにはすりおろし生姜を少し入れます。レモンやライムをプラスすると爽やかさがアップします。

 

まとめ

ウイスキーは基本の飲み方だけでも9種類。それぞれちょっとした違いで呼び名が変わりますが、味わいは大きく変わる奥深いお酒です。

 

アルコールに強い人のお酒というイメージが強いですが、実はとても親しみやすい側面を持つお酒でもあります。アルコールが高い分、一気に飲むことはあまりしません。その分、コスパも良いところもうれしいポイントです。

 

場所によって、時によって、人によって雰囲気が変えられるウイスキーを是非試してみてください。
グラスに氷がぶつかってわずかに奏でる音も楽しみのひとつです。

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