宝暦二年(1752年)大七酒造を創業
宝暦二年(1752年)、太田三良右衛門が独立し、現在の大七酒造を創始しました。以後、十代目の今日まで、日本酒の最も正統且つ伝統的な醸造法である「生酛造り」一筋に、豊潤な美酒を醸し続けています。創業時の酒銘は「大山」でしたが、近代の中興の祖である八代目が、歴代当主の襲名する七右衛門にちなむ「大七」に改称。この時代、昭和天皇陛下御即位式典(昭和3年)の御用酒に選ばれ、第16回全国清酒品評会(昭和13年)では最高首席優等賞、すなわち全国第一位を獲得し、名酒大七の存在は全国に知られるところとなりました。
伝統的な醸造法である「生酛造り」一筋
明治末年、大蔵省醸造試験所によって山廃酛、速醸酛などの簡便な醸造法が発明され、全国に普及が図られました。八代目はいち早く速醸酛を試みたものの自らの理想を追求するには生酛が不可⽋と判断し、全国の酒蔵から生酛が消えていく中で、生酛造りの孤塁を守り続けました。大七は、近年の淡麗辛口ブームの中でも、あくまで生酛造りの力強い美質を活かす技術向上を追求し、全国新酒鑑評会史上初めて伝統技法の生酛造り純米醸造で金賞を受賞するなど、生酛造りの第一人者としての地位を確立しました。
G8洞爺湖サミットの乾杯酒や欧州の王室晩餐会に選ばれる
普遍的な価値を志向する大七は早くから世界に目を向け、現在は欧米やアジアの20 を超える国々に輸出し、G8洞爺湖サミットの乾杯酒や欧州の王室晩餐会、そして各国の最高級レストランでの採用など、世界の檜舞台で高い評価を獲得しています。国内では「第一回ふくしま産業賞」で初代の最高位知事賞(平成28年)、「第七回ものづくり日本大賞」で業界過去最高の経済産業大巨賞を受賞(平成30年)するなど、新たなる名酒の歴史を刻み続けています。