『吟香 鳥飼』の1銘柄
鳥飼酒造さんは、熊本県人吉市七日町の地で400年以上前から酒蔵を営んでいます。人吉市は、球磨焼酎として有名産地です。全国の米焼酎のメッカです。平安時代に京都から熊本県人吉に移り住んだ名家「鳥飼家」が蔵元です。1800年江戸時代には醸造酒と焼酎を製造し、みりんや醤油も醸造していました。1871年、明治3年に明治政府より酒造りの新免許が発行されます。1991年に吟醸香をテーマに研究開発を進めるなか熊本工業大学教授 上田誠之助氏と出会い協力いただき「吟香鳥飼」の原型が生まれました。そこからさらに研究を重ね、3年後の1994年に「吟香鳥飼」は完成しました。現在も鳥飼酒造で造られているのは『吟香 鳥飼』の1銘柄だけなんです。
豊かな自然に囲まれた酒蔵
2000年に草津川流域の開発を阻止するために周辺の山林を取得し、2004年に蒸溜所を建設致しました。川を守る為、蒸溜所からの排水は全てタンクに集め処理し、川に排水は一滴も流していません。美しい川や水、自然を守るため渓流や山林の保全活動にも注力しておられるのです。2007年、なだらかな丘の上に斧研(よきとぎ)麹蔵を建設しました。これは周囲から微生物の侵蝕を避けるためと、洗米排水を例え浄化したとしても草津川の清流に流さないことを目的としたからです。蒸溜所、麹蔵ともに豊かな自然に囲まれています。
鳥飼のこだわり
焼酎の「焼」は、もろみに熱を加えるという意味です。「酎」は、濃い酒という意味です。自然で発酵させる日本酒ではアルコール度数22%まで限界です。22%以上の濃い酒を造ろうとすると蒸留しなければなりません。この蒸留のもととなるもろみを造るには温度管理の徹底が必要になります。なぜなら仕込んだ日から発酵熱で温度が上がるからです。精米歩合58%にまで磨き上げた蒸留酒のための吟醸麹。独自の香りのもととなる吟醸麹は、含水率は1パーセント以内、麹標準温度1度以内の誤差でないと美しい香りは得られないので、厳しい基準のもとに品質管理を徹底しています。また、通の酒ではなく、女性や焼酎初心者、そして焼酎好きのすべての人がおいしいと感じ、さらに焼酎通をもうならせる1本です。特に食事と一緒に飲んでもらえるお酒をイメージして造っています。誰もが料理と焼酎のハーモニーを楽しんでもらえる統一感を大切にされています。