本当に喜ばれる酒を目指して
昭和40年代、日本全国で普通酒が全盛の頃、 当蔵の4代目・豊澤安男は「これから世の中が豊かになるにつれ、 消費者は本当に良い酒を望むはずだ」と考えました。そして、力を入れたのが純米酒造りです。 「高品質のお酒をたくさんの方に飲んでいただきたい」という思いから、価格を抑えた純米酒「黒松貴仙寿」を 世に送り出したところ、大変多くの方に支持されました。 それは、消費者の視点から「本当に喜ばれる良質の酒」にこだわった結果なのです。
小さな蔵だから手作りにこだわる
奈良豊澤酒造の酒造りへの思いは、今も変わっていません。 そのため、創業以来、ほとんど機械化せずに手造りに徹した酒造りを行ってまいりました。 今日、奈良豊澤酒造で生産する酒の8割が、純米酒以上の「特定名称酒」で占められているのも、 その証といえます。そうした手造りへの一途な思いの一方で、 酒を愛してくださる方のニーズを取り入れ、柔軟に対応してきたのも奈良豊澤酒造の酒造りです。 小さな蔵ですが、大きな誇りを持って、今後も酒造りに精進してまいります。
自家製酵母が決め手
日本酒独特の香りを決めるのは、言わずもがな酵母です。 奈良豊澤酒造では、純米酒以上の特定名称酒の一部は、蔵内から分離された酵母によって造られています。 とりわけ良い出来にあがった酒のもろみから培養した自家製酵母は、当蔵独自の香り高くすっきりとした飲み口の酒を造り出しており、「貴仙寿吉兆」として皆さまにお届けしています。