静岡県代表の酒蔵
土井酒造場は明治5年(1872年)浜松県城東郡小貫村(のちの静岡県掛川市)に設立されました。現在も見事な薬医門の向こうに明治に建てられた蔵が残り、静岡県の歴史的建築物としても紹介されているほどです。初代・土井弥市、二代目・弥源治、三代目・弥太郎と伝統を受け継ぎ、四代目・土井清幌氏、五代目・土井弥市氏と150年酒造りの意志は受け継がれています。四代目・土井清幌氏は、父弥太郎氏の「蔵を大きくしようが小さくしようが好きにやれ、ただし酒質だけは落とすな」との言葉を胸に、開運を全国屈指の銘醸蔵に育て上げ、全国新酒鑑評会では数々の金賞受賞・上位入賞を果たし、静岡県代表のお酒として全国に知られる銘酒となりました。
四代目・土井清幌氏と波瀬杜氏による二人三脚
開運を全国に知られる銘酒にした大きな要因は、能登杜氏四天王の一人に数えられた故波瀬正吉杜氏と四代目・土井清幌氏が開発から取り組んだ自家製吟醸酵母です。特に開運の大吟醸は、杜氏・故波瀬正吉氏が長年の経験と技術をすべて注ぎ込んだ逸品であり、全国新酒鑑評会金賞をはじめ、能登杜氏自醸清酒品評会での首席や最優秀杜氏賞など数々の品評会で金賞の常連となりました。 蔵元である四代目・土井清幌氏と波瀬杜氏による二人三脚で、全国にその名を知られていったのです。現在は五代目・土井弥市氏や、榛葉農杜氏が故波瀬正吉杜氏の酒造りの技術や思い・志は受け継がれています
綺麗で味がありながらキレの良い酒
目指す理想のお酒は「綺麗で味がありながらキレの良い酒」これは理想ですが、自分がそう思えるお酒を造りたい。だからこそ、あらゆる場面で『お米』にこだわり酒造りをされているのです。蔵の中で試飲をさせていただいたときに、私も利き酒をしますが四代目・土井清幌氏も一緒に利き酒をしながら、「私の利き酒はノド越しを重視しているから口に含んで飲んでしまいます」と言ってました。これも酒の酒質を大事にされているポイントです。キレの良い酒を作りたいからノド越しを大切にされています。 環境を守るために、洗米時の排水なども、全て浄化設備に集まるようになっています。米ぬかなどの雑排水を浄化するための大型排水処理施設や、太陽電池のパネルを屋根に敷き詰めた大型冷蔵倉庫の建設など、環境に配慮した経営にも取り組んでおられます。