ラプラス家はA.O.C.マディランとして初めてワインのボトリングと販売を行った生産者です。それ以前にこの地域で生産されていたワインは全て、下位カテゴリー(今で言うIGP)のワインとブレンドされていました。
1930年代後半、ほとんどの生産者がトウモロコシの混作・複合型(ポリカルチャー)から単一栽培(モノカルチャー)に切り替えていく中、ラプラス家はマディランからワイン畑が消えてしまわないよう、その流れに反して品質重視のワイン造りへと動き出しました。先々代フレデリック・ラプラス氏は、A.O.C.マディラン取得(1948年)にも尽力したマディランのパイオニア的存在です。その後、1960年代に跡を継いだ息子ピエールが区画整理と醸造技術の改良を推し進め、現在に至るワイナリーの基礎を築きました。
今日でもラプラス家はこの地域では先駆者として、高品質ワインの生産者として、そして何よりも、友好的で心の広いワイナリーとして非常に高く評価されています。
オーナー
フランソワ・ラプラス氏
現オーナー、フランソワ・ラプラス氏は独学でこれまでやってきました。若い頃に経営を学び、地元の銀行で数年働いた後、実家のワイナリーへ戻ってきました。彼は新しいワインを世界中から発見しようと常に好奇心を持っています。また、タナ種とマディラン地域の、ワイン界での輝かしい未来を信じています。
ラプラスにとっての目標は、マディラン地域とタナ品種の個性を伴った魅力的なワインを生産することです。それぞれのワインはそれぞれのカテゴリー内で優秀であるべきで、他のワインと比べて劣ったものを造るべきではないと考えています。
ビオロジックに近いリュット・レゾネ(減農薬)を実践しています。
完全に有機栽培をしないのは、ベド病の発生が唯一の要因です。マディランの土地は非常に暖かく湿気も多い為、ベド病の危険がとても高いのです。
栽培についてのコンセプトは、環境に配慮し、それぞれのテロワールの個性を尊重すること。栽培家によるブドウへの干渉はすべて自然の法則に則り、化学的な手法には頼りません。除草剤、農薬、ボトリティスに対する抗生剤などはこれまでに一切使用していません。そのため、土壌のバランスを保つためにオーガニック肥料を使用することはあります。
ラプラス家は高い株密度を非常によいものと認識しています(8000株/1ha これは同A.O.C.の平均株密度の2倍)。目標は、タナのセパージュ比率を年々高くしていくことです。タナはこの地域特有の非常にユニークな品種だからです。