アルバから南下し、シニオとセラルンガ・ダルバの丘の間にあるランガ・デル・バローロの農園、リラーノ。様々な経験からビオディナミ農法が最もその土地の土壌を活性化させる手法であると確信し、2009年から有機栽培に取り組み、2016年EUオーガニック認証を取得、2019年よりバローロ、バルバレスコの生産者としてはイタリアで初めてDEMETERの認証を獲得しました。
DEMETER認証は数あるオーガニック認証の中で最も基準が厳しく、化学肥料の制限だけではなく、10%以上の生物多様性を求められ、動物の飼育や自然と共生をした循環型農業を行わなければなりません。
また隣り合う畑が認証を得ていない場合、様々な植物を植えるなどして間隔を取らなければならないという厳しい基準を維持しています。
リヴェットでは、ブドウの生産量を上げることよりも、人間と自然の共生に注力しています。ブドウ畑の間に、色々なハーブを生垣で栽培し、自然の抗菌エッセンスでハダニ等害虫から守っています。
また、本来はブドウを植えられる場所にローズマリー、とうもろこし、小麦、ヘーゼルナッツ等で森を作り、動物を飼育。穀物を食べた動物の排泄物を干し草やブドウの皮などと混ぜ、2年間熟成させて独自の堆肥を生産、ブドウ畑に撒くことにより1つの生態系サイクルを造り出しました。
さらに、雨や湧き水からできた、植物や特定のバクテリアが生息する湖の純度の高い水をろ過し、畑に使っています。その結果、飛躍的に土壌が良くなり、品質の高いブドウ栽培を実現させました。
最高の土壌
リヴェットのあるリラーノの土地には銅、硫黄、プロポリス、エッセンシャルオイルなど貴重な物質がたくさん含まれています。リヴェットではそれらを維持するために、独自の堆肥を生産しています。
純度の高い水
農業に綺麗な水は欠かせません。リラーノには雨水や湧き水で出来た美しい池があり、その水を大型植物や特定のバクテリアが生息する植物浄化槽でろ過し、畑に使います。その結果、飛躍的に土壌が良くなり、品質の高いブドウ栽培ができています。
生垣でブドウを守る
2kmに及ぶ生垣は、ハチ・昆虫・鳥・森の小動物の棲みかとなり、シデ・月桂樹・フジウツギ・ツクバネウツギ・ライラック等のハーブも栽培し、自然の抗菌エッセンスでハダニ等害虫からブドウ畑を守っています。
ブドウ畑の木々
1,000本を超える高木が植えられて森を造っています。カシやシラカバ、トチノキ、クルミ、ヤナギ、ケヤキ、カワラ、イチョウ等々十数種類に及ぶ木々に棲む鳥たちはブドウのつるに有害な虫たちを捕食してくれます。根は大地を支え、この農園のあらゆる生物の生活を助けています。
野菜畑、果樹園、小麦畑
ここには菜園、果樹園、畑、牧草地もあります。混合作物の「農場」になることで、生態系が循環し、サステナブルな農園となるのです。穀物や小麦、野菜や、ジャムやジュース用の新鮮な果物、エッセンス用のハーブも生産しています。
動物たち
動物のいない農業は存在しません。池には白鳥、農園にはロバたちがいます。ロバたちは菜園やブドウ畑の間を自由に歩き回り、ハーブの成長を調節し、ひづめで地面を優しく動かし、種を土の奥まで押し込みます。排泄物は、有機堆肥を作るために使用されます。
森の酵母
リラーノは7haの森に囲まれ、樹齢数百年の樹木が生い茂る野生生物保護区です。最近の農業研究によると、森の近くで栽培されたブドウは、皮に独特のさまざまな酵母が付着していることが記録されています。これらの酵母はワインの発酵と風味に非常に良い影響を与えます。
ミツバチ
この農園には6つのミツバチの巣箱があります。彼らはよくブドウ畑を訪れて、ブドウの木から花粉を集め、ハーブから蜜を吸い、花から花へと飛び交いながら、セラーでより複雑な発酵を可能にする酵母など、ハーブとブドウの間の微生物の交換を助けます。農園のバランス保持に欠かせない存在です。