100%オーガニック! 格付1級シャトーで初の有機認証を獲得したシャトー
近年、ワインスペクテーターやジェイムス・サックリンなど、世界的なワイン評価誌でも高く評価されているシャトー・ギロー。その秘密の一端を担うのが、有機栽培です。
ギローは、1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。
有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました(2011年が有機認証としての初ヴィンテージ)。
ソーテルヌの特異なミクロ・クリマ
ソーテルヌの気候は大西洋気候に似ています。冬は心地よく湿度があり、気温は5-10℃程。春も湿度があり暖かいため、ブドウ樹の生育を促します。夏は気温20-30℃と暑過ぎず、果実の成熟を助けます。
一般的な大西洋気候と異なるのは秋でしょう。ボトリティス・シネリア菌、あるいは貴腐菌と呼ばれる微細な菌が秋に発生します。ソーテルヌは特別なミクロ・クリマ(微気候)に属し、そのお蔭でその独特なワインが生まれます。朝は霧が畑を覆い、その水分がボトリティスの活動を促進します。
太陽のお蔭で水分は蒸発し、気温が上がる事でブドウは乾燥し凝縮度が高まります。風もまた重要な役割を担います。風は収穫を守りもし、また損ないもします。乾燥した北東の風は畑を乾かしブドウを凝縮させます。西風は雨をもたらし、時に収穫の一部を台無ししてしまいます。
年間降水量は860mm程。大部分は大西洋の嵐によって冬の間に降ります。夏場の平均月間降水量は50-60mm程しかありません。
7月と8月の太陽光と30℃に達する最高気温によってブドウの成熟速度が上がります。しかしながら、ヴィンテージの品質を左右するのは9月と10月の太陽と雨です。
多様な土壌
ブドウは非常に多様な土壌に育ちます。砂の多い砂利質が80%を占め、その下には何層にもわたる砂利と粘土の心土が続きます。
心土は多様性に富み、半透明の砂から砂利の層までが赤粘土の層と交互に続きます。しかしそれだけではなく、泥灰岩や石灰石、石灰化した牡蠣、赤粘土と白粘土等の層もあります。
過剰な雨によってブドウの根が粘土層の間に溜まった水に浸された場合、ブドウ樹が窒息してしまう危険性があります。そのため、新しい樹が植えられる前に地中60cmの深さの所に排水溝が掘られます。このようにして雨水は排水溝からより大きな排水路へと流れていきます。