「ブランデーってどんなお酒??」
「ブランデーとウィスキーの違いがわからない」
「ブランデーにはどんな種類があるの?」
バーでかっこよくブランデーを飲みたいと考えているあなた。こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
お酒にはウィスキーやブランデー、ウォッカやジンなどさまざまな種類がありますが、製造方法や原料などを気にして飲むという方は少ないと思います。
ですが、ブランデーの製造方法などの情報を持ってそのお酒を飲むことで、製造過程や現地の風景を感じながら楽しむことができるでしょう。もちろんブランデーの飲み方にも幅が広がりますよね。
本稿ではお酒の専門店という立場から、ブランデーの製造方法や種類を詳しく解説していきます。最後まで読んでいただくことで、あなたがお酒を選ぶ際に、参考となる有益な情報を得ることができます。
ブランデーの定義
お酒は大きく以下の3種類に分けられています。
①醸造酒:ビール・ワイン・日本酒など
②蒸留酒:ジン・ブランデー・ウィスキーなど
③混成酒:リキュールなど
この3種類の中でブランデーは蒸留酒にあたり、果実(りんご・プラム・チェリー・すもも・洋梨など)を原料とした蒸留酒の総称となります。語源はオランダ語の「焼いたワイン」からきたと言われています。
ウィスキーと混同されることが多いですが、ウィスキーとの違いは明確で、ブランデーが果実を原料としているのに対し、ウィスキーは穀物(トウモロコシ・ライ麦・大麦など)を原料としています。
ブランデーの産地、原料による種類の違い
ブランデーとは原料に果実を使った蒸留酒の総称です。ブランデーの中にも産地や果実の種類によって細かく分類されています。
コニャック、アルマニャック、カルヴァドスは世界三大ブランデーと呼ばれているほど評価が高く、高級ブランデーとして嗜まれています。またご存知の通りブランデーはヨーロッパで歴史あるお酒になります。
ここからはブランデーの分類ごとに産地や原料、製法や特徴について解説していきます。
コニャック
産地 | フランス コニャック地方 |
原料 | ブドウ |
製法 |
白ワインを2度にわたり単式蒸留し、フランスのリムーザン地方で生産されたオーク樽(樫の木)で2年以上熟成させるという決まりがあります。 |
特長 |
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アルマニャック
産地 | フランス アルマニャック地方 |
原料 | ブドウ |
製法 |
コニャックと混同されますが、コニャックが単式蒸留を2度行うのに対し、アルマニャックは連続式蒸留を1度行います。 |
特長 |
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カルヴァドス
産地 | フランス ノルマンディ地方 |
原料 | リンゴ |
製法 |
カルヴァドスという名はリンゴを原料として、フランスのノルマンディ地方で作られた蒸留酒にしか名付けることはできません。そのため、ノルマンディ地方以外でつくられた同様の蒸留酒はアップルブランデーとして区別されています。 |
特長 |
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マール
産地 | フランス |
原料 | ブドウ |
製法 |
マールとは白ワインを作る際に出た、ブドウの果汁や種などの絞りかすを蒸留させてできるお酒です。 似たような製法で作られるブランデーのグラッパがありますが、双方の違いはマールがフランス産で、グラッパはイタリア産という点だけです。 |
特長 |
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フィーヌ
産地 | フランス |
原料 | ブドウ |
製法 |
フィーヌはブドウを選定する際に規格外となってしまったものや、澱引き(発酵容器の底に貯まった澱を酒から取り出す事)したあとに底に残った澱を使っています。 製造工程はマールやグラッパと似ていますが、フィーヌはマールやグラッパと違って搾りかすは使用しません。 |
特長 |
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グラッパ
産地 | イタリア |
原料 | ブドウ |
製法 |
グラッパはマールと同様、白ワインを作る際に出たブドウの果汁や種などの絞りかすを蒸留させてできるお酒です。その搾りかすを蒸留するのですが、その後グラッパの製造では樽熟成を行わないのが一般的です。 |
特長 |
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オルホ
産地 | スペイン |
原料 | ブドウ |
製法 |
原料にはブドウを潰したあとに出る搾りかすを使用しています。もともとは自分達でワインをつくったあとに出る搾りかすを蒸留して自家製オルーホをつくっていたのですが、近年品質の高いオルーホが出回るようになり注目を集めています。 |
特長 |
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ビスコ
産地 | ペルー |
原料 | ブドウ |
製法 |
製法は他のブランデーと同様にワインを蒸留してつくるのですが、ブドウの香りを残さないため樽熟成は行わず無色透明のまま出荷されます。 |
特長 |
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ブランデーの熟成年数による種類
ブランデーの中でも格式高いコニャックとアルマニャックには、熟成年数によってランクを決める「コント」という専用の単位があります。
コニャックのコントは「BNIC:全国コニャック事務局」
アルマニャックのコントは「BNAI:全国アルマニャック事務局」
というフランスの事務局が厳しい基準を用いて定めていますが、2つの事務局の基準にも違いがあるためコニャックとアルマニャックのコントは共通していません。
ここから詳しく解説していきます。
熟成年数の「コント」がポイント
コニャックとアルマニャックの熟成年数を示す値にはコントという専用の単位を使います。まず、蒸留した年のコントは「コント00」と数えられます。
コニャックでは、コント00である樽の原酒は、次の年の4月1日から「コント0」となり、その翌年の3月末日まで続きます。
そこからコントは1年経過ごとに1ずつ増えていき、「コント2」以上になるとコニャックとして販売することができるのです。
アルマニャックの場合は1ヶ月ずれていて、周期が5月1日から翌年4月末日までとなります。
また、ブランデーの多くは様々なコントのブランデーが調合されています。その際は一番若いコントのブランデーのランクが適用され、ラベリングされています。
コニャックとアルマニャックのランクの違い
コニャックとアルマニャックのランクにはスリースターやXO、ナポレオンなどの名称が定められています。
ランクは熟成年数を示すコントを基準として決められていて、コントが大きいものに高いランクの名称が付けられます。
ランクの名称はコニャックもアルマニャックもほとんど同じなんですが、コントによって違いがありますので、解説していきます。
コニャックのランク
ランク | 基準 |
スリースター | コント2以上 |
V.S. [Very Special] | コント2以上だが、平均の熟成年数4〜7年 |
V.S.O.P. [Very Superior Old Pale] | コント4以上だが、平均の熟成年数7〜10年 |
ナポレオン | コント6以上だが、平均の熟成年数12〜15年 |
X.O. [Extra Old] | コント10以上だが、平均の熟成年数20〜25年 |
Hors d'âge[オール・ダージュ] | コント10以上だが、X.O. よりランクの高いもの |
アルマニャックのランク
ランク | 基準 |
スリースター | コント1以上 |
V.S. [Very Special] | コント2以上 |
V.O. | コント4以上 |
V.S.O.P. [Very Superior Old Pale] | コント4以上だが、平均の熟成年数5〜10年 |
ナポレオン | コント5以上だが、平均の熟成年数5〜12年 |
X.O. [Extra Old] | コント5以上だが、平均の熟成年数25〜30年 |
代表的なおすすめのブランデーを紹介
ブランデーの種類について、産地別や製法の違いをご説明してきましたが、最後に代表的なブランデーを順番にご紹介していきたいと思います。少しづつでいいのでご理解していただけるとブランデーの楽しみ方がさらにアップすると思います。
ヘネシー VSOP 正規品 箱付き 40度 700ml
12,980円
原産国 | フランス |
種類 | コニャック |
ランク | VSOP |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
日本でコニャックといえばヘネシーですね。はじめての方からリピーターの方もヘネシーを愛飲されている方は日本中はもとより世界中で飲まれるブランデーです。ヘネシー V.S.O.P は、厳しい条件を満たした約60種類のオー・ド・ヴィー(原酒)がブレンドされ、繊細で洗練された素晴らしい味わいを実現しています。
ヘネシー VS 700ml
4,300円
原産国 | フランス |
種類 | コニャック |
ランク | VS |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
ヘネシーのVSです。コニャックの登竜門としてはベストの商品です。フルーティな香りやスパイス、バニラなどあらゆる香りが特徴的です。ゆったりとお酒を飲みたい人には最適の逸品となります。ヘネシーのエレガンスな雰囲気を味わい方には是非とも試していただきたいブランデーですね。
ヘネシーX.O 700ml
23,999円
原産国 | フランス |
種類 | コニャック |
ランク | XO |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
ヘネシーの最高級品にランクするブランデーです。1870年、世界で初めて"eXtra Old"の名が与えられたコニャック(ブランデー)になります。上位4地区のブドウによる約100種類のオー・ド・ヴィーがブレンドされ、リッチでパワフル、かつ極めて滑らかなスタイル。ギフトにも人気があります。
タリケ アルマニャックV.S.O.P
4,920円
原産国 | フランス |
種類 | アルマニャック |
ランク | VSOP |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
アルマニャックでは人気のブランデー。熟成はフランスの有名なアリエとニエーブル産のオーク樽を使います。在庫にして24年分に相当する樽をシャトーの中に保管しています。受賞歴など各国の有名なホテル(SAVOY,HYATTなど)に導入されている他、エアフランスのファーストクラス・ビジネスクラスでも採用されています。
タリケ アルマニャックX.O
9,353円
原産国 | フランス |
種類 | アルマニャック |
ランク | XO |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
先ほどのタリケVSOPの上位ランクのXO版です。熟成はフランスの有名なアリエとニエーブル産のオーク樽を使います。在庫にして24年分に相当する樽をシャトーの中に保管しています。香りもフルーティーで複雑なニュアンスが融合し余韻もエレガントに感じることのできる逸品です。
カルバドス ブラー・グランソラージュ
2,773円
原産国 | フランス |
種類 | カルヴァドス |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
ブラー社はカルヴァドスの中でも、Pays D'Auge(ペイドージュ)でのカルヴァドスづくりにこだわり、世界で広く知られています。食後のチーズや、シガーとの相性がよいカルヴァドスですが、カクテルベースとしても頻繁に使われています。定番ジャックローズからコーヒーに入れて飲むホットカクテルまでいろいろなカクテルが楽しめるお酒です。
カルヴァドス ヴィエイユレゼルヴ グべルヴィル卿 4年 40% 500ml
6,000円
原産国 | フランス |
種類 | カルヴァドス |
内容量 | 500ml |
アルコール度数 | 40% |
このカルヴァドスは2019年パリ農業コンクール500mlVSOP部門で金賞を受賞しています。焼きりんごのような甘い香りとシナモンのようなスパイシーなテイスト。 ボトルがりんごの形をしていてモンサンミシェルがデザインされています。 色は明るい黄色がかった琥珀色に近く、フルーティーで熟したりんごの味を感じる事が出来ます。
ルイジャド マール・ド・ブルゴーニュ ア・ラ・マスコット
6,846円
原産国 | フランス |
種類 | マール |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
ワインの発酵に使用したブドウのしぼりかすを圧搾し、蒸留するマールでは有名です。正式には「マール・ド・ブルゴーニュ」で、アペラション・ドリジン・レグルマンテと呼ばれ、AOCよりもランクをさらに高くしたもの。ルイジャドではおよそ3年に一度マールを瓶詰めします。
ジャクロ フィーヌ・ド・ブルゴーニュ 15年 グランド・エイジ 700ml
13,301円
原産国 | フランス |
種類 | フィーヌ |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 43% |
フィーヌの逸品です。メゾン・ジャクロは1891年にブルゴーニュ南部、ボジョレ地方の中心に位置するロマネシュ・トランに設立されました。グランド・エイジは非常に古いオー・ド・ヴィーを卓越したノウハウでブレンドされたシリーズ。ジャクロのセラーから生まれた宝物で、傑出した風味、もっとも優れた口当たりと感覚を備えています。
ノニーノ グラッパ・モノヴィティーニョ シャルドネ・バリック 700ml
5,884円
原産国 | イタリア |
種類 | グラッパ |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 41% |
私も普段グラッパをよく飲みます。食後の余韻を浸りたいときにはピッタリですよね。こちらは厳選されたシャルドネの搾り滓を蒸留し、バリック(小樽)で12ヶ月熟成させることにより、淡い琥珀色に色づいたシャルドネのグラッパです。パンやバニラ、ペーストリー生地を思わせる洗練されたエレガントな香りで、口に含むとチョコレートやアーモンドのニュアンスが感じられます。
ベルタ ジュリア グラッパ ディ シャルドネ 700ml
4,618円
原産国 | イタリア |
種類 | グラッパ |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
人気のベルタ社のグラッパです。シャルドネの搾りかすをスラボニア産オーク樽で10ヶ月から12ヶ月間熟成します。色はすんだ琥珀色でエレガントで調和のとれた香りにソフトな口当たり、バニラを思わせる樽の効いた味わい。ジュリアとは娘さんの名前です。
マル デ フラデス オルホ 700ml
3,823円
原産国 | スペイン |
種類 | オルホ |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
まだ日本では数多く出回っていないオルホからピックアップしました。D.O. リアス バイシャス のワイナリーである マル デ フラデス社が造る、ぶどうの良質な搾りかすを使用した ガルリシアン オルホ。ワインを造る工程に出るブドウの搾りかすを蒸留して造る、ガリシアン オルホ 。透き通ったブランコはフレッシュでいてアロマティックな口当たり。しっかりとした豊かなボディ感があります。
オルホ・ラウロ 700ml
3,630円
原産国 | スペイン |
種類 | オルホ |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
オルホはスペイン・ガリシア地方伝統の蒸留酒でしたが、いまやスペイン全土で飲まれています。アルコール度数は40%と高いですが、度数の割りに飲みやすいのがオルホの特長。そのピュアで馥郁とした香りを存分に楽しむには、少量をストレートで飲むのがオススメです。ぜひお好みのショットグラスでお楽しみください。グラスを冷凍庫に入れて冷やしておくのもオススメです。
タカマ ピスコ デモニオデロスアンデス アチョラード 700ml
4,298円
原産国 | ペルー |
種類 | ピスコ |
内容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
こちらも日本ではまだまだ品種が少ないピスコ。その中でTACAMA(タカマ)は、ペルーのイカ州に約150ヘクタールの農場を持つ南米最古のワイナリーです。ここで生産されるワインやピスコは世界で愛され、各国のペルー大使館の公式行事やパーティで振る舞われているペルーを代表するブランドです。
タカマ ピスコ モストベルデ グランデモニオ ケブランタ 500ml
6,798円
原産国 | ペルー |
種類 | ピスコ |
内容量 | 500ml |
アルコール度数 | 43.5% |
この書品は、先ほどのタカマの最高級品です。モストベルデは、ぶどう果汁の発酵の途中で蒸留を行うことで、ぶどう本来の繊細でエレガントな香りと深いコクを醸し出します。香りはまろやかでフルーティー、アルコール度数ほどの強さを感じさせない優しい口当たりです。こちらのピスコは凛とした香りが特徴のケブランタ種のぶどうを使用しています。
まとめ
本稿ではブランデーの種類や製造方法について解説してきましたが、覚えていただきたいポイントは以下の通りです。
- ブランデーは原料に果実を使用した蒸留酒
- 製造方法や産地によって区分されている
- コニャックとアルマニャックはコントという専門の単位が用いられる
- 熟成年数によってランク付けされている
これだけ覚えておけばブランデーを選ぶ際に自分の飲みたいものをしっかりと選ぶことが出来ます。
あなたがブランデーを選ぶ際の一助となりましたら幸いです。