六代目百合を造る塩田酒造の酒蔵紹介(鹿児島県)

今回の酒蔵紹介は六代目百合を製造する塩田酒造さんです。社長は塩田将史さんになります。20年以来のお付きあいになります。今回は蔵元紹介というよりも蔵元訪問記みたいに記事を書くことにしました。このページを見てさらに六代目百合を飲んでください!

 

実は、塩田酒造さんは、芋焼酎1種類のみを造られています。厳密に言えば、島立ちという焼酎も造っていますが銘柄としては、六代目百合、風に吹かれてが人気です。

島立の唄

島立ちは、地元の島に高校がないので子どもたちが島を出なくてはならず、学校を卒業して巣立つ意味をこめて芋の植え付けから収穫、製造までをする中学生がするんですね。画像はフェリーが到着する里港に建造された石碑です。

 

なので、それ以外となると六代目百合の一種類だけを造っています。ちなみに風にふかれては、六代目百合の原酒です。

 

つまり、原酒を造ってそのまま瓶詰めすれば「風に吹かれて」、加水して六代目百合の35度、25度になります。年度初めの秋口の最初につくったものを「新焼酎」として品揃えされています。

 

すごくシンプルですね。なので製造に集中できます。なかなかこういった販売方法をされている酒蔵はないでしょう。少なくても造りを変えて数銘柄のブランドを持っている酒蔵がほとんどなんです。

 

そいう意味では希少価値高いですね。森伊蔵さんも銘柄1種類なんで、付加価値の高い酒蔵さんです。

塩田酒造を訪問 鹿児島県甑島まで

甑島フェリー

私は、毎年の恒例行事である鹿児島の塩田酒造様に行きます。

早いもので蔵に行きだして20年近くになりますね。

おおまかなの行程は、
大阪伊丹発 8:00
 ↓
鹿児島空港着 9:00
 ↓ レンタカー
串木野新港着 10:30
串木野新港発 11:20
 ↓ フェリーニューこしき
甑島の里に到着 12:35
 ↓ 徒歩5分
塩田酒造着 12:50

 

私は、飛行機派です。というか20年前は新幹線で鹿児島まで行けませんでしたから(笑)飛行機、レンタカー、船に慣れているというのが本音です。

ちなみに塩田社長は、新幹線派です。大阪にはいつも新幹線。私はどうも新幹線の時間が長く感じるので飛行機が多いんです。

 

ただ、飛行機だと結構天候に左右されます。過去にフェリーが出なかったことが4回ほどありまた。それは、塩田酒造さんからの帰路です。当日波が高く、フェリーが2日続けて欠航になりました。

それ以外では、友達の酒屋さんと串木野新港から行こうとしたときです。フェリーが欠航したんですが、なんと塩田さんが甑島から漁船で迎えにきてくれたんです。

フェリーが欠航なので漁船なら、どんなことになると思います?めちゃくちゃ怖いんです(泣)波の上から海面まで3メートル以上はあったように感じます。

ジェットコースターより、10倍怖いです。人生始めて死を覚悟しました(笑)

4回目も串木野新港に到着するとフェリーが欠航でした。そのときも塩田さんがわざわざ漁船をチャーターしてくれたんです。

 

私は前回の波の高さを想像するだけで、いやいやというか泣く泣く船に乗ったのを覚えています。いつもフェリーに乗るときには、天候が悪かった過去の思い出を振り返りますが、今回は、スムーズにしかも快晴です。

→甑島商船オフィシャルサイトはコチラ

 

甑島を観光する

せっかく甑島に来たので、甑島を散策紹介をしましょう。

長目(眺め)の浜

長めの浜

こちらは、甑島の定番スポットです。幅が50mで長さが約4kmにもなる砂浜です。画像で見ると砂浜の左手が海で右手が池になります。池はなまこ池、貝池、鍬崎池、さらに須口池と甑四湖と言われています。このエリアを国の天然記念物として指定されています。

里湖から車で15分ぐらいでしょうか。ここからの風景は有名な長目の展望所から見て逆方向の場所で撮影した画像になります。なので、みなさんがよく見る画像は右手が海で左手池になりロケーションが違います。

 

鳥ノ巣山展望所

鳥ノ巣山展望所

こちらの道は、下甑島の北部から南甑島を展望するスポットになります。この道路ができて甑島は陸続きになったんですね。私が初めて訪問したときには橋がかかっていませんでした。だから島民の方の島への移動はフェリーや船だったんです。

里港から、この展望所まで40分ぐらいですかね。ドライブにはもってこいです。景色は絶景です。そして潮の流れや風が本当に本州の南西端という感じがする場所です。

塩田酒造に到着

塩田酒造玄関

フェリーで里港に着いたら、徒歩で5分のところに塩田酒造になります。この前の道路の向こうは海辺です。だから台風とかになると大変なんだそうで暴風雨対策が大変です。特に風が凄いみたいで何回か台風の被害を受けてます。

塩田酒造風景

こちらは、入り口から見た風景です。左側手前が貯蔵庫、シルバーのタンクが見える棟が製造場です。右手の車の奥に芋などを貯蔵する場所があって、車の手前右手には画像では見えませんが瓶詰場があり2階が事務所になっています。

六代目百合ができるまでの製造工程

蔵の一日の全体を見ていきましょう。

その前に簡単なイメージ図を見ると理解も深まると思います。

焼酎製造工程

  1. 芋の洗い、余分な部分を切る
  2. 移動させ蒸し器に入れて芋を蒸す
  3. 蒸した芋を大きなタンクに入れ水も入れて混ぜる(主原料と言う)
  4. 麹米を蒸し器にいれて蒸す
  5. 冷やしながら黒麹菌を数回に分けて米に振りかける
  6. 麹室で1日置く(麹と言う)
  7. 6の麹と酵母菌を水に入れ1週間程度かけて酵母菌を増殖させる(1次もろみ)
  8. 1次もろみと3の水と芋の主原料を10日から20日間程度かけてアルコール発酵させる(2次仕込み)
  9. 蒸留・濾過作業(原酒と言う)
  10. 貯蔵・熟成 原酒をタンク、カメなどで保管する
  11. 瓶詰め 原酒に水を加えてアルコール度数に調整して瓶詰めする

塩田酒造芋

 

六代目百合の秘密は黒麹菌を使用

六代目百合の秘密は、なんといっても黒麹菌ではないでしょうか?焼酎造りには主に黒麹菌、白麹菌、黄麹菌が使用されます。

 

黒麹菌は、芳醇な香りと、どっしりとしたコクと旨味が特長です。ちなみに白麹菌は、軽快でマイルド、キレがよく爽やかさが特長になります。塩田さんも黒麹と白麹と試行錯誤されたようですが最終、黒麹に行き着いたようです。

 

そういえば、あの雑誌「dancyu」8月号で芋焼酎重厚なタイプで堂々の1位をとったのを覚えています。

蔵に床暖房を完備

塩田酒造さんのこだわりで驚くことは、蔵に床暖房を設置していることでしょう。私が、当初蔵にお邪魔したときにはありませんでした。

 

でも、味の安定性や再現性、そしてシンプルに造りたい思いから塩田さんは莫大な設備費を投じて床暖房の設置を決断します。

 

理由としては、秋から冬にかけて仕込むとき、蔵の中の温度を一定にしたい考えがあります。これは、寒すぎたり暑すぎたりすると発酵過程が不安定になるからです。

 

この仕込みの時期は24時間体制で温度管理に神経を尖らせます。私は呑気に料理をいただいて夜中起きることはありませんが、塩田さんは時間ごとに起きては温度に目を光らせています。

 

それだけ大変な温度管理でしたが床暖房を導入することにより大幅に軽減できたそうです。造りの作業に集中できること、そして何よりも味わいの安定につながりました。

 

現にここ最近の品質が非常に良くなっています。そして味がボリューミーになりました。これには驚きしかりません。反対をいえばそれだけ温度管理が味のポイントになるということでしょうね。

 

最後に塩田酒造さんの蔵での作業風景の動画をアップしときます。企業秘密もあってすべては掲載しませんが、雰囲気だけでも楽しんでください。

 

そして、ここから六代目百合が生まれていることを感じてくださいね。清潔感が半端ないことも動画で見てもらうと嬉しいです。

 

微生物だらけの蔵は、清掃が命です。毎日床を水洗いしてピカピカにされています。造りに雑菌が入ってしまっては大変だからです。それも塩田酒造のこだわりですね


 

夜は、塩田酒造さんで食事

毎度毎度、塩田酒造さんにお邪魔すると夜は従業員のみなさんと一緒に食事会をしていただけます。ほとんどアルコール漬けですよね(笑)

暗くなると始まり、日にちが変わっても続きます。さすがに最近は年のせいでしょうか。解散が早いですが…

今回は、鹿児島牛を用意していただけたようです。遠目の画像です。始まって人数が揃っていませんが、飲みだしたら写真を撮るのを忘れておりました。すみません。

塩田酒造懇親会

この画像から楽しみがあまり伝わりませんね。男の哀愁を感じます。(笑)食事会の内容はあまり書くことはできませんので、このあたりで終了とさせてもらいます。

 

 

会社名 塩田酒造株式会社
代表者 塩田将史
住所 鹿児島県薩摩川内市里町里1604
電話 09969-3-2006
銘柄 六代目百合、風に吹かれて、島立ち 

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