熊本といえば、阿蘇山、熊本城あたりがピンとくる人が多いと思います。あっ!最近ではくまモンですね。
でもお酒の業界で熊本といえば、米焼酎が超有名なんです。場所は熊本県の南部にある人吉市。実は温泉が有名な地域なんです。私も酒蔵さんに行ったときに公衆浴場に入りましたが最高でした。今でも記憶に残るぐらいの名湯です。
その人吉市は、山々に囲まれた人吉盆地に位置します。地元では人吉球磨地域といわれます。
そう、この人吉球磨地域は、令和2年7月の豪雨によって、球磨川が氾濫し大きな被害を受けた地域になります。みなさんも記憶されている方は多いと思います。
なので、今回は熊本県が誇る米焼酎を紹介していきたいと思います。
目次
この記事のおすすめ商品ランキング
吟香 鳥飼 25度(鳥飼酒造)
吟醸香が特徴の米焼酎。フルーティーな香りが人気の秘密
特別限定酒 大石 (大石酒造場)
球磨川の伏流水を使ったウイスキー樽で長期熟成した焼酎
温泉焼酎 夢(大和一酒造元)
アルカリ性の温泉水を使った焼酎が健康志向の方に人気
米焼酎とは
芋・麦・米など、さまざまな原料で製造されるのが「焼酎」の特長です。
中でも米焼酎は、日本人に馴染みのある「お米」から造られています。
日本酒よりもアルコール度数が高く、引き立つお米の甘みや香りが特徴でロックや水割り、お湯割りなどさまざまな飲み方で楽しめます。
同じお米を原料とする日本酒との大きな違いは何でしょうか?
それは、製造方法にあります。
日本酒は発酵によって製造される「醸造酒」ですが、焼酎は液体を熱し蒸気となったアルコールを冷やして、再び液体に戻す「蒸留酒」に分類されています。
また、日本酒ではお米に含まれているタンパク質などの成分が雑味となってしまうため、お米の表面を磨いて味わいの調整を行いますが、焼酎はほとんど行いません。
10〜15%ほど削るだけで、タンパク質などの成分をむしろ活かして焼酎の味わいを調節します。
とはいえ、もちろんしっかり磨いた焼酎もあり、好みに合わせて好きな米焼酎を選ぶことができます。
このように、各蔵元さんが、米の個性を活かしつつ独自の製法で球磨焼酎として技を磨いているのが楽しいですよね。その個性ある球磨焼酎を紹介してきましょう!
《箱入り》吟香 鳥飼 25度(鳥飼酒造)
・ポツンと一軒家で放送された鳥飼酒造 ・日本酒の吟醸酒のようなフルーティーは香り ・モンドセレクションにて特別金賞を受賞 |
熊本県人吉市に酒蔵を構える鳥飼酒造は、400年以上も前から続く老舗の酒造です。鳥飼酒造の詳しい記事はコチラをご覧ください。
現在製造している商品は、なんと「吟香 鳥飼」の一つだけ。商品化として1994年に開発が成功して以降、日本全国で愛される米焼酎になりました。
華やかな香りが漂う「吟醸香」を本格焼酎で初めて導入し、1996年には世界的なコンクール「モンドセレクション」で特別金賞を受賞しさらに人気に拍車がかかります。
鳥飼のなんといってもトロピカルフルーツを彷彿とさせる優しい香りです。これは長い年月の間に磨かれた職人の技と自家培養の酵母によって生まれます。
米焼酎に馴染みのない方でも、柔らかな味わいにきっと心打たれることでしょう。
開発から20年以上経った今でも改良を続け、よりおいしい味わいへと品質の向上を行っています。
(4.6 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]\モンドセレクション特別金賞/
特別限定酒 大石 25度(大石酒造場)
・ウイスキー樽で長期熟成した米焼酎 ・透明感のある琥珀色が人気 ・球磨川の伏流水を使いまろやかな味わいが特徴 |
熊本県に蔵元を構える大石酒造場は、1872年創業の歴史ある酒蔵です。温泉街から少し離れ球磨川の上流に位置しています。
自然豊かな土地で生まれた原料米と球磨川を流れる伏流水をベースに、コクのあるまろやかな焼酎を造り続けています。中でもおすすめは、長期熟成された米焼酎「特別限定酒 大石」です。
もともと、大石酒造場の地域で製造される焼酎は「球磨焼酎」と呼ばれており、「熟成」という概念はありませんでした。しかし、「球磨焼酎を熟成させたらどうなるのか」という好奇心から長期熟成に挑戦し、「特別限定酒 大石」が誕生したんですね。
ウイスキーの熟成でも使用するシェリー樽やコニャック樽で長期熟成したことで、ウイスキーのような深みのある香りが特徴です。
焼酎でありながら透明感のある琥珀色をした同商品は、ロックで味わうのがおすすめです。クセがなく、まろやかな風味が楽しめますよ。
(4 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]\熟成の米焼酎/
温泉焼酎 夢 25度 (大和一酒造元)
・球磨川豪雨水害の被災から再起をかける ・人吉の温泉地から生まれた温泉焼酎 ・蔵に天然アルカリ温泉水が湧き出る |
こちらも個性派焼酎としておすすめなのが、熊本県人吉市に蔵元を構える大和一酒造元が製造する「温泉焼酎 夢」。
地下500mから蔵に湧き出る天然アルカリ性の温泉水によって仕込まれた米焼酎です。
ミネラル豊富な温泉水によって仕込まれた米焼酎の味わいは、口当たりまろやかでクセがなく、飲みやすい仕上がりに。
「飲む野菜」と呼ばれるほど健康に良い温泉水を使用したことで、『二日酔いしない』『体調がいい』など評判は上々のようです。健康を気にしている方でも、これなら罪悪感が少なく飲めるのではないでしょうか。
おすすめの飲み方は、お湯割りです。ミネラルがたっぷり含まれている米焼酎を少なめのお湯で割ると、お米の風味を贅沢に感じられます。寒い冬にもぴったりですね。
(4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]\アルカリ性の米焼酎/
本格米焼酎 白岳しろ 25度(高橋酒造)
こちらは、全国的にも有名な球磨焼酎になります。
どんな食事とも合わせやすい定番の米焼酎といえば、1900年創業の高橋酒造が手がける「本格米焼酎 白岳しろ」。
こちらも世界的なコンクール「モンドセレクション」で、金賞を7年連続受賞の実力を誇ります。これまで米焼酎を飲んだことがない方でも飲みやすく、初めての方におすすめです。
どんな料理でも素材の良さを引き出し、邪魔をしない食中酒。上品なお米の香りと、軽やかでスッキリとした口当たりが特徴です。全国の飲食店で扱われているのも納得です。
スッと鼻に抜ける淡麗な味わいは、ロックでも水割りでも、お湯割り、お茶割り……なんでも相性抜群の実力者。お好きな飲み方で、とことん楽しめる米焼酎です。
球磨焼酎 文蔵 25度(木下醸造所)
熊本県の球磨焼酎の長い歴史の中でも、特に老舗の蔵元である木下醸造所で醸す「文蔵」は、1世紀以上にわたり米焼酎を製造しています。
大量生産できるステンレス製のタンクではなく、丸いかめ壺で製造することで、味わいはまろやか。じっくりとおいしい焼酎が出来上がります。
昔ながらの製法にこだわった「文蔵」は、お米の香りをしっかりと感じる、とてもコクのある本格焼酎です。米焼酎の王道と言ってもいいかもしれませんね。これぞ米焼酎の骨太の焼酎です。
おすすめの飲み方は、そのままで。お米の厚みある香りを堪能するのが良いですね。もちろん、氷を入れたオンザロックでも、お湯で割ったお湯割りでも、じっくりとお米のまろやかさを味わえる焼酎です。
米焼酎の飲み方・楽しみ方
最後に米焼酎の飲み方を紹介しときますね。
米焼酎は、ロックや水割りなどさまざまな飲み方で楽しめる焼酎です。最近では炭酸割りがポピュラーになりつつあります。温泉焼酎の夢は牛乳で割ってもおいしく飲めます。
そして、お茶系の飲み物と割るのも相性バツグンですね。日本茶、ウーロン茶など。料理との相性もいいです。
米が原料ですから、お寿司と焼酎のときには、米焼酎が絶対に合いますね!
季節的なおすすめは、お湯割り。寒い冬にはぴったりの飲み方で、ポカポカの米焼酎は冷え切った身体を温めてくれるでしょう。
日本酒と同様に焼酎は温めることで風味が強まり、お米本来の香りや味わいをより楽しめます。
柔らかで優しい風味が魅力の日本製の米焼酎は、ぜひお湯割りで楽しんでみてください!